障害年金について


所定の障害状態になり、受給要件を満たした場合、障害年金が支給されます。
国民年金の加入者は障害基礎年金を、厚生年金保険の加入者は障害基礎年金と
障害厚生年金を受け取ることができます。障害厚生年金は1級・2級・3級、さらに軽度の場合、障害手当金(一時金)の給付があります。
国民年金加入者(自営業の方)は障害基礎年金のみで、1級・2級の給付があります。

社会保障制度とは

社会保障制度は、憲法25条に基づいて保障されています。
「①社会保険②社会福祉③公的扶助④保健医療・公衆衛生」の4つから成り立っています。

「①社会保険制度」
公的年金制度・・・国民年金、厚生年金。
「老齢」、「障害」、「遺族」の3つの年金に区分されています。

障害年金のしくみ

公的年金というと、年をとったときの収入源をカバーする「老齢年金」を頭に浮かべがちですが、他にも、もしものことがあったとき「遺族年金」や病気やケガで働けなくなっときの「障害年金」の3種類の年金があります。

国民年金、厚生年金に加入している方が障害を負ったとき、その後も安心して生活が送れるよう受け取れる年金があります。障害年金というしくみで、身体障害だけでなく、知的障害、精神障害なども含まれます。

障害年金では、国民年金の加入者は障害基礎年金を受け取ることができます。厚生年金保険の加入者は、障害基礎年金と障害厚生年金を受け取ることができます。障害厚生年金は1級・2級・3級、さらに軽度の場合、障害手当金(一時金)の給付があります。国民年金加入者は障害基礎年金のみで、1級・2級の給付があります。

障害基礎年金ガイド

厚生労働省「障害基礎年金お手続きガイド」をご参照ください。
 
公的年金制度は、「請求」をしなければなりません。
障害年金は、

①病院等関係の資料を集めます。
②初診日を特定して証明します。
③初診日を特定し、その日から1年6ヶ月を経過した日が障害認定日となります。
④初診日の前日の時点で、初診日の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと、また未納期間が1/3未満であることが必要です。
⑤「受診状況等証明書」または「受診状況等証明書が添付できない申立書」を年金事務所から取得します。
⑥病院から「診断書」を取得します。
⑦「病歴・就労状況等申立書」を作成します。
⑧年金事務所へ提出します。

 
厚生年金に加入している間に初診日のある病気やけがで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。

障害基礎年金(2023年度)
 
【1級】
795,000円×1.25倍+子の加算(228,700円/年:第1・2子の場合)
【2級】
795,000円+子の加算

 
※ 複数の傷病が関連して障害になった場合は、初診日は前の傷病のものとなります
※ 上記はあくまで具体例であり、他の事例もあります。
 
※障害認定日とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、請求する傷病の初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日をいいます。
障害認定日から3か月間の現症を書いた診断書を提出することによって、障害認定日から請求する障害年金として認められ、障害認定日のある月の翌月から障害年金が支給されるようになります。
※症状固定とは
症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った場合は、たとえ1年6ヶ月を経過していなくても、その日が障害認定日となります。
 
厚生年金の方は上記「基礎年金部分」のほかに、「厚生年金部分」が支給されます。
年金加入歴や給与の額などにより変わります。

【1級】
報酬比例の年金額×1.25倍+配偶者加給年金(228,700円/年)
【2級】
報酬比例の年金額+配偶者加給年金(228,700円/年)
【3級】
報酬比例の年金額
【障害手当金】
報酬比例の年金額×2

 
※加給年金は、65歳未満の配偶者(年収850万円未満)がいる場合。
※加入月数が25年未満の場合、25年として計算します。
※3級の障害厚生年金は596,300円、障害手当金は1,192,600円の最低保障額が決められています。

厚生年金被保険者でも65歳までと65歳以降で異なる年金

障害厚生年金は、「障害厚生年金+障害基礎年金」を受給する仕組みになっていますが、これは65歳までに初診日があり障害等級2級以上となった場合です。65歳~70歳までに初診日があり障害等級2級以上となった場合、「障害基礎年金」は受給できません。

障害年金と障害者手帳の違い

障害年金と身体障害者手帳はまったく異なる制度です。
財源も根拠法も違います。

障害者手帳は3種類あります。
1.身体障害者手帳
2.精神障害者保健福祉手帳(精神障害の方)
3.療育手帳(知的障害の方)

【障害年金】
国民年金法、厚生年金保険法
【身体障害者手帳】
身体障害者福祉法
【障害年金】
原則20歳以上。ただし、65歳以上は老齢年金との選択受給。
【身体障害者手帳】
都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けた者。
【障害年金】
1級~3級(3級は厚生年金のみ)
【身体障害者手帳】
1級~7級(手帳の交付は6級)
【障害年金】
給付内容は、年金
※年金保険料未納者は支給を受けられない
【身体障害者手帳】
給付内容は、地位や障害の種類によって異なりますが、所得税、住民税、自動車税などの税制上の優遇措置や有料自動車道路、電話料金、NHK受信料の減免などの公共料金の「割引サービス」を受けることができます。
※年金保険料未納者でも障害者手帳はもらえます
【障害年金】
初診日から1年6か月または症状固定のいずれか早い日
【身体障害者手帳】
障害が永続するものと判断された日

 

障害年金が支給される可能性のある疾病

障害年金は、脳血管疾患の後遺症による肢体障害や眼・耳・言語の障害・がん・糖尿病・呼吸器疾患・うつ病なども受給できます。

【疾病名】

白内障、緑内障、網膜色素変性症、ブドウ膜炎、網膜脈絡膜萎縮、ベーチェット病、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、両ぶどう膜炎、黄斑ジストロフィー眼球萎縮、ゆ着性角膜白斑など
感音性難聴、突発性難聴、メニエール病、薬物障害による内耳障害、頭部外傷または音響外傷による内耳障害など
弁膜症、心筋疾患、虚血性心疾患、難治性不整脈、リウマチ性心包炎、大動脈疾患、先天性心疾患、狭心症、大動脈弁狭窄症、心筋梗塞、慢性虚血性心疾患、高血圧性心疾患、高血圧性腎疾患など
がん
再生不良性貧血や溶血性貧血、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形性症候群など
糖尿病・糖尿病の合併症など
老年期・初老期認知症、老年性精神病、脳動脈硬化症に伴う精神病、統合失調症(精神分裂病)、躁うつ病、てんかん性精神病など

 

年金受給期間は?

有期認定と永久認定(レアケース)とがあります。
※植物状態でも有期認定される⇒人間の可能性がわからないため

年金保険料を払っていない未成年者が障害状態になった場合

原則、受給可能。
所得制限あり。

生まれつきの場合の初診日とは

先天性・・・生まれた日が初診日
発達障害・・・はじめて病院へ行った日が初診日

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