トリクルダウン仮説によって拡大した格差と貧困
トリクルダウンとは
富裕層や大企業が優先的に豊かになるようにし、そこから恩恵がしたたり落ちてきて、一般庶民にも広がっていくという話です。
しかし、富裕層や大企業がお金を貯めこまずに、金融商品等に投資をせずに、実物投資・消費をすることが必要になります。
現実はご承知の通り、大企業は「内部留保」「自社株買い」等の現金保有にまわしていっていますし、富裕層もそうですね。
株式の儲けは株式に、投信の儲けは投信に、と金融商品(株式・投信等)へまわっていっています。
そもそもゼロ金利下では実物投資への期待はできないでしょう。
トリクルダウン支持者は、直接利益を受ける財界人です。
そこから献金を受ける政治家。
そのような階層です。
トリクルダウン政策を推進している政治家、官僚、経済学者、マスコミ人などは「1%グループ」の利益しか考えていません。
(出典)「経済学者はなぜ嘘をつくのか」(青木泰樹著、アスペクト)
(出典)「経済学者はなぜ嘘をつくのか」(青木泰樹著、アスペクト)
教育格差からはじまる経済格差
格差社会に入った日本の所得・資産の分配が不平等化している状況について、国民のあいだに次の2つの判断があるといいます。
①所得の格差が大きくなるのは、本人の能力や努力によって生じた結果なので、経済の効率性を重視する立場からすると、当然のことである
②貧富の格差の大きいことは公正性の観点から好ましいことではなく、できれば結果である格差は小さい方がよい
(出典)「21世紀の資本主義を読み解く」(橘木俊詔著、宝島社)
②貧富の格差の大きいことは公正性の観点から好ましいことではなく、できれば結果である格差は小さい方がよい
(出典)「21世紀の資本主義を読み解く」(橘木俊詔著、宝島社)
この異なる2つの考え方において、実は「機会平等」という原理は双方から支持されています。
つまり、皆がまずは同じスタートラインに立つというものです。
ところが、親の経済状態によって進学の有利不利があるということです。
日本社会では、制度として学校教育の終着点が雇用の出発点となっています。そして教育における格差が増大し、それが雇用の格差の増大につながっています。その格差は、まず学歴という尺度での格差があり、正規雇用と非正規雇用の格差があり、また男女間での格差もあります。
(出典)「21世紀の資本主義を読み解く」(橘木俊詔著、宝島社)
(出典)「21世紀の資本主義を読み解く」(橘木俊詔著、宝島社)
働くことは重要で、そこから収入を得ていくことは自己のライフプラン実現のはじまりともいえます。
ただ、そこから得られる収入を使っていまある場所で家族が暮らしていけるかどうかです。
今だけでなく将来はどうか。