同族会社特有の税制

法人税法上の同族会社とは

上位3位(3人以下)までの同族関係者の株主グループが合計でその会社の株式出資または議決権の50%超所有している会社。

株主等の親族
株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるもの
株主等たる個人の使用人
株主等から経済的援助を受けて生計を維持しているもの

 

同族会社に特有な税制

同族会社に対して、みなし役員の規定、留保金課税制度、同族会社の行為計算の否認規定等が定められています。
同族会社は、少数の特定株主により意思決定でき、会社の行為や計算を操作するなど疑われがちだからです。

①みなし役員や使用人兼務役員の判定
一般的に会社法上の役員とは「取締役」や「監査役」などのことをいいます。
法人税法上の役員は「取締役」や「監査役」に加えて「みなし役員」などのことをいいます。

みなし役員となる例は、上記に「株主等の親族」とあるように、株式50%超を所有している社長の妻です。
これにより、給与等が一般の従業員とは異なり役員報酬となります。

②留保金課税
同族会社では、個人株主の所得税負担を軽減するため、会社が分配可能配当を少なくし、会社内部に利益を留保することができます。
上位1株主グループで持株割合が50%超となる特定同族会社では法人の留保金に課税する規定があります。
ただし、資本金等の額が1億円以下の中小法人については留保金課税の適用対象から除外されています。

なお、留保金課税は以下の方法で算出されます。
留保金課税額=(内部留保金-留保控除額*)×税率

*控除額は、次の基準額のうち最も多い金額。
(1)所得基準額・・・所得等の金額の40%相当
(2)定額基準額・・・2,000万円×事業年度の月数/12
(3)利益積立金基準額・・・期末資本金の25%相当-(期首利益積立金額-前期末配当額)
税率は3,000万円以下は10%、3,000万円~1億円以下は15%、1億円を超える金額は20%となっています。

③適正な取引が行われたものとして課税所得や法人税額などを計算
脱税の意思の有無にかかわらず、法人税の負担を不当に減少させる結果となるような異常な取引(低価格で関係会社へ販売する等)を適正な取引が行われたものとして法人税等の課税所得や法人税額などを計算することができるという規定があります。

 

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