離婚時に気をつけるべき生命保険契約
生命保険の財産分与について
日本では、協議離婚(夫婦が話し合って合意)が約9割とのことです。
一般的に、解約返戻金のある保険商品は離婚(別居)時の解約返戻金額で評価し財産分与を行います。
結婚前に保険料の払込が終了している契約は共有財産とはなりません。
解約せずに保険契約を継続させる場合、代償金として、離婚(別居)時の解約返戻金の半分(≒財産分与割合)を相手に支払うか、同程度の財産を相手に取得させるようにします。
婚姻期間中に加入した生命保険契約の対応
【婚姻期間中の保険契約の状態】
契 約 者 : 夫
被 保 険 者 : 夫
死亡保険金受取人: 妻
【離婚後の保険契約の状態】
契 約 者 : 元夫
被 保 険 者 : 元夫
死亡保険金受取人: 元妻
名義変更が行われずに死亡事由が発生すると
【離婚後の保険契約の状態】
契 約 者 : 元夫
被 保 険 者 : 元夫が死亡
死亡保険金受取人: 元妻
・そもそも死亡事由を知る関係にあるかどうか
・元夫側との関係性で、保険金請求に関する書類を入手できる関係にあるかどうか
・死亡保険金を受け取った場合、元夫の法定相続人ではなく、相続税の納税が必要なときは相続税が2割加算となります。
契約を継続する場合、死亡保険金受取人を「子供」「両親」などに変更を行いましょう。
学資保険のケース
【離婚後の保険契約の状態】
契 約 者 : 元夫
被 保 険 者 : 子
学資金受取人 : 元夫
親 権 者 : 元妻
上記の契約形態では、親権者であっても元妻は請求できません。
したがって、元夫から支払われるように話し合われていないといけないでしょう。
・保険契約自体が契約者(元夫)のもののために、途中解約も契約者の意思となります。
親権者である元妻が契約者・学資金受取人となるように名義変更を行うことを検討しましょう。
その際、契約している保険会社に相談をしてください。
契約者変更をしても保険料負担が難しい場合は、解約をすることも考えられます。
知識として、契約者変更をしたうえで「払済保険」に変更し、将来額資金を受け取った場合は、贈与税の対象となります。
名義変更後に学資金を受け取る際の税務については、保険料負担の割合で変わってくるので注意が必要です。
「一部が元夫からの贈与、一部が元妻の一時所得」となります。
離婚に伴う名義変更での課税
【離婚前の保険契約の状態】
契 約 者 : 元夫
被 保 険 者 : 元妻
満期保険金受取人: 元夫
【離婚後の保険契約の状態】
契 約 者 : 元妻
被 保 険 者 : 元妻
満期保険金受取人: 元妻
契約時の満期保険金受取は「一時所得」で説明をされていますが、名義変更により元妻が受け取ることになると、「贈与税」の対象となります。
名義変更(契約者変更)時点では、課税はされません。
【関連記事】
名義変更後の課税