運用しながら資産を取り崩すシミュレーションに気を付けて!

投資をすすめる業界は、間違いではないが正しくもない情報を発信することが多いです。
簡単にいうと、ポジショントークが多すぎます。
最近気になったのが

運用しながら資産を取り崩していくと資産寿命をのばせます

といったもので、例えば、

いま金融資産が2千万円あるとします。
年120万円ずつ資産を取り崩していくと、金利ゼロであれば16.6年ほどで残高がなくなってしまいますが、年3%運用しながら、年120万ずつ取り崩していくと、そこから6年(22年)ほど寿命をのばせます。
だから、ずっと運用していくことが正しいです。

しかし、ここで重要なのは”運用”ということです。
年3%はもちろん「固定金利」ではありません。
ここでも固定金利を使ってシミュレーションをしてきます。(酷いものです)
リスクある資産を使って運用をするのであれば、それはやはり不確実なものとなります。

3%のリターンに対して10%のリスクを想定し、シミュレーションを行ったものが下図です。

資産の取り崩し時期というのは、一般的に60歳以降の高齢期の話になります。
高齢期を過ごしていくための話で、間違いではない(固定金利、数学の話であれば)が、正しくもない話をするのは倫理に反すると思います。
その時点で、

いまある2千万円、年3%の運用を目指してみませんか?
うまくいけば40%の確率でその通りになりますが、20%の確率で元本割れします

こういうことも説明しないといけないと思います。
もちろん、図のような確率シミュレーションを投資家に知ってもらうことは必須でしょう。

フィデューシャリー・デューティーに疑問符を持つことが多すぎます。

いろいろと隠れ蓑を使いながら、実際は事実上の断定的判断の提供(法令違反)が多すぎやしませんか?

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