生存バイアスに気をつけよう
「投資は「負ける人たち」「負け続ける人たち」がいる世界」
で指摘していますが、投資をすることが正解で、投資をすれば誰もが成功するかのような風潮があります。
不確実性の投資というものは、確率論で考えていくことができます。
実際、投資は「負ける人たち」「負け続ける人たち」がいる世界です。
生存バイアスということをご存知でしょうか?
生存した物のみを基準とすることで誤った判断を行ってしまうことである。生存者バイアスなどとも言われる。
ある特定の出来事や手段などを評価する際に、経過と共に発生する少なくない脱落・淘汰などをした存在を考慮することなく、最終的に生き残った一部のみをもって判断してしまうことを指す。
例えば、特別厳しい教育方法に対してそれをくぐり抜けた一部の成功者の非常に強い支持のみをもってその教育方法の正しさを主張する場面などが挙げられ、この場合あまりの厳しさに脱落していった大多数の層が無視されていることになる。脱落者は文字通り脱落済みであるため死人に口なしとして主張を行う事が無いということである。
その他には特に一昔前の文化流行などへの印象にも現れることがあり、時を越えて現代にまで「生き残っている」数々の著名な作品などの影には、大勢の記憶には残ることが叶わなかった大量の作品が存在していることが考慮されずに「あの頃は素晴らしかった」などと極端に判断がされてしまう場合がある。
この様な誤った判断をしないために、情報分析などを行う際には常にバイアスの存在を意識し、目立つ成功例以外に対して広く目を向けていく必要があると言える。
現在、積立投資を行っている人たちの中で含み益のある人たちがいます。
しかも大きく。
そういう人たちは、日経平均1万円以下、NYダウ1万ドル、為替80~90円などの時期を経験してきた人たちです。
とても「リスクをとった投資が報われる」なんて想像できないような時期であり、かつ長い期間でした。
毎月毎月
”買えば含み損”
”買えば含み損”
そのような時期でした。
そのような環境でしたが、2013年より日本銀行がETFを爆買いすることにより、”運良く”含み益を得ることができたということです。
キーワードは、運良くです。
いまから積立投資をはじめる方々は、含み益がある人の裏で、損をした人たちや含み損を抱えている人たちが大勢いるという事実を知ってください。
失敗した人たち、失敗している人たちの声は聞こえてはきませんから。