リスクプレミアム効果なしで日本株を買い支える日銀

日銀マネーで株を買い支える異常政策はいつまで続く

日銀がETFの購入をはじめたのは、2010年12月15日からです。
それから10年、日銀ETFの時価評価額は、2020年6月末で37.7兆円になったとのことです。
世界最大の日本株保有者のGPIFを9月中にも超える勢いとなっています。
(日本の上場企業は国有化されていっています)

赤旗に次のようなグラフが掲載されていました。

(出典)しんぶん赤旗(2020年7月8日)
 
これを見て思いますね。
日本の上場企業の多くは国有化状態ですね。
投資という観点からみると、本当に長期投資理論が正しいのであれば、GPIFが株式投資をし、国民が公的年金に対して持っている不安を取り除いてくれればいいですね。
もちろん、株式投資なので「売却」も必要です。(保有ばかりではなく、利益確定をし国民に還元するべき)
しかし、長期投資理論が正しいのであれば「買い」も入るでしょうから、こわいことはないはずです。
そのようにしっかりとアナウンスしてほしいですね。
しかしながら、現実は・・・
 
つくづく思いますが、日銀が10年近くもETFを増額しながら買い続けているのは異常です。

日銀が株を買う理由「リスクプレミアムに働きかけるため」

リスクプレミアムとは、リスクをとることに対する報酬となる部分で、期待リターンから無リスク資産金利を引いた差です。
 
日銀は、リスクプレミアムが下がると世の中にリスクマネーが循環して物価が上昇する(物価2%維持目標)という考え方でリスク性資産である株式を購入していますが、日銀が国会に示したリスクプレミアムのひとつであるイールド・スプレッド「株式益回り-長期金利」は、異次元緩和を開始した2013年4月の約4%から直近の8%まで趨勢的に上昇しました。
つまり、政策効果は得られていません。

という以前に、「物価2%」なんて到達する気配すらありません。
副作用をためこみすぎています。
 
日銀のETF爆買いは、ギャンブル依存症となんら変わりません。

 

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