投資は「負ける人たち」「負け続ける人たち」がいる世界
お金は「ふやそう」ではなく「へらさない」ことが大切
投資をしていくにあたり、肝に銘じていただきたいことがあります。それは
あなたが株式投資を行う場合、誰かがその株を売るからあなたはその株を買うことができます。
誰かがその株を買うからあなたはその株を売ることができます。
その過程またはその結果、「負ける人たち」がいることも知っておきましょう。
あなたも「負ける人たち」になってしまうことも考えられます。
皆が皆、投資をすれば「儲かる」ということであれば幸せだと思います。
残念ながら、金融の世界はそうではありません。
”長期”に惑わされ短期の行動を誤らないようにしましょう
長期投資は報われるという話があります。
長期投資の意味は「売らない」「売ってはいけない」ということでしょうか?
確かに、一切「売り」をしなければ、損益が確定しないことになります。
結果、誰もが”損”をしていないことになります。(含み損はあっても)
下の図をご覧ください。
これは報われていると言えるのでしょうか?
日経平均株価(1986年4月~2017年3月)です。
少なくとも点線赤枠の時期に投資をした人たちは「負け続けている人たち」といっていいでしょう。
しかし、ある時点では「勝っていた」ということもあるでしょうし、「負け続けてはいなかった」ともいえるかもしれませんね。
長期投資?
いったいいつまで?
終わりをイメージできない、させない「長期投資」というフレーズは、一種、ギャンブルのような感じがしないでしょうか。
長期積立投資はいまだ再現性のない投資方法
長期積立投資は報われるという話があります。
長期積立投資は複利効果があるという話があります。
残念ながら複利効果はプラスにもマイナスにも働きます。
そして、
長期積立投資は「平均買付単価」と「売却時の基準価額」の差が利益になるということを理解している人たちは少ないように感じています。
よく「毎月〇万円の積み立てで30年間、5%で複利運用すれば、積立投資元本の2倍以上の評価額」になっている説明を見かけます。
5%は固定金利ではなく、投資をした結果のリターンで語られています。
つまり、毎月ニューマネーで投資をし続けていった場合の説明です。
しかし、この話はすでに成功例があり、かつ再現性のある話とは違います。
積立投資で評価額が2倍になるということは、「平均買付単価」と「売却時の基準価額」の差が2倍になっているということです。
下の図をご覧ください。
日経平均株価(1986年4月~2017年3月)の月末終値を毎月買っていたシミュレーションです。
株価(青色)が平均買付単価(緑色)の2倍(赤色)になるようなことは過去一度もありませんでした。
それどころか
2倍になるような気配すら感じられません。
普通に考えてみてください。
毎月毎月買っていきながら「平均買付単価」(ドルコスト平均法)をつくっていく投資方法で、売却時点で毎月買っているものの値段がそれまでの買った平均の2倍の値段になっているというのは、どのような株価の動きをしないといけないと思いますか?
長期積立投資の複利運用の説明・・・
4%複利
5%複利
6%複利
などという表現を使っている段階で、
一種、ギャンブルのような感じがしないでしょうか。