インフレについて
「貨幣価値が目減りするから投資をしましょう!」
”貯蓄から投資へ”という標語が掲げられた頃から金融業界から宣伝されている言葉です。
本当にそうでしょうか。
このような仮説は成り立たないでしょうか?
まず、今のような長短金利が人類史上最低金利(ゼロ)にはりついている状況でインフレについて警戒するのは滑稽ではないかと思います。
重要なのは、「実質金利」です。
実質金利がマイナスになった場合です。
つまり、物の価格や価格上昇率に給料・預金金利が追いつけなくなる場合です。
(過去50年、定期預金金利が物価上昇率を下回っていたのはほんの数年程度です)
これがそこそこの期間、継続されていく場合になってはじめて考えていくくらいでも良いのではないでしょうか。
そう、一般の個人は。
結論から言いますと、1950年から2015年までを見ていくと、定期預金がインフレを平均0.7%上回っています。
インフレの話として、戦後の混乱期を想定するのはもはや机上の空論を超えていきます。
ですので、物価上昇で大きく混乱した時期といえば、歴史上「オイルショック」があげられます。
狂乱物価の時代だと言われた現象です。
しかし、どのようなときも人間には”調整能力”があります。
いつまでも生活ができないほどの物価上昇が継続されていくことはありません。
また、そうなっていくと考えるのはいかがなものでしょうか?
普通のインフレは「給料」も上昇していきます。
であれば、何が困るのでしょうか?
そもそもそれがインフレです。
現実、私たちが送る毎日の生活の中で、給料で目の前にあるモノが買えなくなったり、サービスが受けられなくなったりするのは困りますよね。
それはけっきょくのところ”不況”をイメージすることになります。
不況になったほうがいいのでしょうか?
政府や日銀は、不況にしようとするのでしょうか?
そのようなことはないですよね。
本来、中央銀行の仕事はそうならないようにすることです。
現在行われている異次元の金融緩和は、本来(インフレを抑えるのが日銀の仕事)とは真逆のことをしている壮大な社会実験です。
インフレになっていくのなら、そもそもの保険料負担も軽くなりますが・・・?
それの対策として、年間「2%」以上の手数料(販売手数料、信託報酬)がかかる金融商品って・・・?
すでに大きな話題になっていますが、空き室問題や人口減少問題についてどのように考えているのでしょうか・・・?
インフレ不安を煽っている情報には、偏ったものの見方のものが多いです。
投資でインフレ問題が解決することはありませんし、インフレが投資をする理由にもなりません。
それは、
投資で考えていく場合、何が原因でインフレになったのか。
そのときにいる世界の投資家たちがどのような投資行動を行うのか。
これらが影響するからです。
この仮説、あなたはどう考えますか?
そもそも
インフレになって喜ぶ人たちとはどのような人たちなのかを考えてみるといいかもしれませんね。