積立投資楽観論には気を付けて
- 2022年05月18日
- カテゴリ:お知らせ
最近(といっても定期的にですが)、FPによるつみたてNISA楽観論をネット記事で見てしまいましたので、警鐘を鳴らしておきます。
このようなものです。
つみたてNISAをした場合、
毎月33,000円を20年間、3%で運用すると、792万円が1080万円になります。
毎月33,000円を20年間、3%で運用すると、792万円が1080万円になります。
といったものです。
この手の記事をシンプルに読むと、普通の人は「そうなる」と思ってしまうのではないでしょうか。
弊社では、この手の説明は「不適切だ」と言っています。
なぜなら
上の説明の「3%」は固定金利になっており、つみたてNISAでいうところの「3%」は固定金利ではなく、期待値であり、そこには標準偏差という概念が必要ですが、それが抜け落ちているただの数学の授業のようなシミュレーションだからです。
弊社がこのような説明を行う場合、以下のようなヒストグラム(確率グラフ)を作成し、ご説明をすることになります。
期待リターン3%、想定リスク12%として、毎月33,000円を20年間、3%で運用すると、792万円が1080万円になる可能性は、1万回の乱数シミュレーションによると40%ほどです。
しかし、それは1080万円以上になる可能性もあり、ものすごい確率は低いですけど、3千万円ほどになることもあります。
一方、1080万円にならない可能性は60%ほどあります。
最頻値は900万円前後に集中していることが分かりますね。
残念ながら、元本割れ可能性も20%ほどあります。
しかし、それは1080万円以上になる可能性もあり、ものすごい確率は低いですけど、3千万円ほどになることもあります。
一方、1080万円にならない可能性は60%ほどあります。
最頻値は900万円前後に集中していることが分かりますね。
残念ながら、元本割れ可能性も20%ほどあります。
いかがでしょうか。
1080万円以上になる可能性があるなんて、このような記事では一切説明されません。
いつも「1080万円!」だけにしかならないとなっています。
ただの固定金利での数学シミュレーションだからです。
こんなに積立投資の情報が溢れているのに相変わらずです。
残念です。
このようなシミュレーションをしながら積立投資のご相談を受けることができるFPは日本ではほとんどおらず、ごくごく少数派が当社です。
投資初心者の方は、「投資は自己責任」というのであれば、ここまでは教えてほしいのではないでしょうか。
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