病気(がん)になった際の治療と就労の実態を知っておこう
- 2016年09月05日
- カテゴリ:お知らせ
以前『がん罹患後、非正規雇用者の61%が離職』という記事を書きました。
今回、それを深堀した「働き方の変化」「収入の変化」について考えていけるデータをご紹介いたします。
『がんと就労「調査報告書・勉強会記録」』
の報告書から関連部分の結果を許可を得て引用し、ご紹介します。
是非、私たちのこれからの人生にとって必要な”準備”を考えていただく機会になればと思います。
データや情報の詳細は上記リンク先にてご確認ください。
がんと就労「調査報告書・勉強会記録」
「治療と就労の両立に関するアンケート調査」結果報告書(2012年8月)
厚生労働省がん臨床研究事業「働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究」班
診断時の就労状況について
次に、「がんと診断された」方々の働き方の変化です。
”無職”になっている方が際立っています。
診断後働いていた方で、検査や治療が進む中で、働き方の変化について
診断後働いている方も診断前とは働く場所などの環境が変わっている方が半数に近いことがわかります。
生活の変化が大きいと考えるべきでしょう。
経済的に困った点
これは重要なところだと思います。
※枠内出典・引用
「治療と就労の両立に関するアンケート調査」結果報告書(2012年8月)
厚生労働省がん臨床研究事業「働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究」班
・通院による欠勤増加、残業もできなくなり減収になった
・正社員からアルバイト・嘱託などになって減収
・自営のため減収
・体調不良で退職せざるを得ず、収入が絶たれた
治療費の支払いが困難
・治療費が高額
・減収のため支払いが困難
・交通費、家事/育児支援、ウイッグなどの間接経費がかかる
保険加入が困難
・がん既往歴があっても加入できる保険が少ない
将来の経済的負担への懸念
・今は親の年金や貯金を使っているが、将来が不安
・将来の家族の暮らしや子どもの学費が心配
・今後再発で高額医療が必要になればきつい状況が予想される
辛くても休めない状況がある
・解雇が怖くて体調不良時にも無理をしている
・治療のため有給休暇を使い切り、それ以上休めなかった
・生活に困るので、働き続けるしかない
・治療費捻出のため仕事をやめる余裕はない
自営業者の方が困った点
自営業者は切実です。
※枠内出典・引用
「治療と就労の両立に関するアンケート調査」結果報告書(2012年8月)
厚生労働省がん臨床研究事業「働くがん患者と家族に向けた包括的就業支援システムの構築に関する研究」班
・自営業者は事業継続が難しくなる
・休職中に顧客が減った
顧客や社員に迷惑をかける
・仕事の引き継ぎや処理のため、顧客や社員に迷惑をかけた
・取引先との信用が大事。幸い理解してもらって取引継続している
手当や保障がない
・自営業には、減収を補填する手段がない
カバーしてくれる人がいない
・仕事のカバーをしてくれる人がいないため、入院・治療の日程調整が大変だった
損得論に気をつけましょう
生命保険について、「否定のための否定」という話があります。
これらの主張はいつも同じです。
貯金が一番!!
などといった損得論です。
今回のデータにあるような事実や「患者」となってしまった方々やその家族の実生活などを見るということを全くしていません。
いつも「高額療養費制度」がどうだこうだといった、誰かが前にも言っていたような話ばかりを繰り返します。
これらの「貯金が一番!」に影響を受けてしまい、結果的に”準備不足”になってしまった方々を見てきました。
もちろん「後悔」することになって気づくというパターンです。
上記のような声を発する人たちは、皆さんや皆さんのご家族が経済的に困ったとしても、ただの1円も助けてくれません。
それに対して準備をしておくのは、皆さん自身です。
今回のデータを見ていくことで、必要な”準備”を考えていただく機会になればと思います。
関連記事
がん保険について
働けなくなった場合の公的保障「傷病手当金・労災」について
障害年金について
お知らせ の記事
- 2024年09月26日|10月から児童手当が拡大されます
- 2024年09月04日|日経平均、ここ一ヶ月間に歴代5番目までの下げ幅が3回
- 2024年08月16日|個人投資家の巨額な信用損切り・投げ売り
- 2024年08月05日|日本株、大幅下げ⑤
- 2024年08月02日|日本株、大幅下げ④