公的年金制度の所得代替率について


(出所)厚生労働省「2019年財政検証」より弊社作成

所得代替率とは

公的年金の給付水準を示す指標で、現役男子の手取り収入額に対する夫婦世帯の年金額(夫の厚生年金+夫婦の基礎年金)の比率です。

2019年度の場合
所得代替率=「夫婦2人の基礎年金+夫の厚生年金」÷現役男子の平均手取り収入額
 61.7%         月額22万円         月額35.7万円

  
所得代替率は、財政検証に関する法律で「50%以上となる」ように定められています。
ここが100年安心プランの意味するところです。

上記モデル賃金の「35.7万円」は手取り収入となっており、そうでない場合の額面では「43.9万円」(下図参照)となります。

所得代替率は賃金水準の違いが生じる

公的年金は、所得再分配となっていますので、賃金水準が高い世帯ほど年金月額は高く所得代替率が低くなります。


(出典)厚生労働省「2019(令和元)年財政検証関連資料

例えば、上図の緑色のラインの「61.7%」の部分が、財政検証のシミュレーションの中で2047年度には「50.8%」になっています。
その際の現役男子の平均賃金は、「月額57.9万円」(※)です。
(※)ケースⅢ・・・マクロ経済スライドによる給付調整が2047年まで行われる、報道などで使用されているケースです。

モデル賃金より低い賃金の方は所得代替率は高い

上図の左側「モデル年金の賃金に対する0.75、0.5」をご覧ください。

0.75=約33万円の方の所得代替率は73.8%
0.5=約22万円の方の所得代替率は98.1%

 
いかがでしょうか?
公的年金の所得代替率は、所得水準の高い方とそうでない方では感じるポイントが違うということです。
知るべき事実を知らずして不安を煽られても仕方ないですね。

所得代替率の見方と考え方

上図2019年度の61.7%は、このままずっとそうであるということではありません。
100年安心プランの所得代替率50%は「新規裁定者(=年金受給開始から3年の人)の年金」のことで、その後もその水準を約束するというものではありません。
年金水準は徐々に低下していき、いずれは40%ほどまでになっていきます。

   

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