「若いうちはリスクをとれる」は本当か?
リスクの大小判断は年齢ではない
ドル・コスト平均法をすすめる話で、「若いうちはリスクがとれる」という説明があります。
これは若くて失敗したとしても時間的に取り返すことができるという意味で多くは使われているものと思われます。
これって本当なのでしょうか?
一見納得できそうな話ではありますが、実はそうではありません。
また、その失敗を取り返すためにさらに大きなリスクをとらないといけなくなることはないのでしょうか。
これらは常識的な感覚です。
そして、それ(若いうちはリスクがとれる)を前提とした積立投資推奨話で矛盾することがあります。それは・・・
30歳で毎月2万円の積立投資をはじめたとしましょう。
累計投資額は
1年で「24万円」・・・仮にすべてなくなっても24万円
3年で「72万円」・・・仮にすべてなくなっても72万円
積立投資ですので、はじめた頃(=若いとき)は金額的に立ち直れなくなるほどのリスクを負うことは少ないでしょう。
しかし、これが50歳まで継続されていったらどうなるでしょう?
例えば、20年なら「480万円」を積み立てたことになります。
大きい金額になっていますね。
リターン5%、リスク20%の配分で投資をしていたとします。
20%のリスク(1σ=ブレ)で、(平均リターンから)±96万円となります。
40%のリスク(2σ=ブレ)で、(平均リターンから)±192万円となります。
3年の「72万円」の時点とでは比較にならないほどのリスクを負っているということがわかるでしょうか?
この時点からも
積立投資は「若いうちはリスクがとれる」というのは、決して正しい説明だとは言えないでしょう。
それが投資初心者に対する説明であればなおさらです。
それどころか、
「若いうちからはじめた積立投資は年々リスクが大きくなっていくやり方」
だということが言えるのではないでしょうか。
もっと正確に言いますと、
「若いうちからはじめた積立投資でもしも”高値を追いかけていった”ケースになると・・・」
つまり
だということです。
これが真実です。
ここで問題になるのが
という話です。
これは典型的なミスリード話法です。
なぜか?
「年率換算」している話だからです。
長期投資でそのリスクを「年率計算」したものをリスクのテーブルにのせるというものです。
本来は「累積計算」したものでなければおかしいのですが。。。
年率の話をした時点で、複利の話(どんどん資産が増加する)もデタラメになります。
このように投資に関する情報は矛盾だらけです。